2015年07月16日 カテゴリー:島の生きものNEWS植物 ウミショウブの開花 ウミショウブという植物をご存知でしょうか?海草の一種であるこの植物は、とても変わった開花や受粉方法をします。花が咲くのは夏の大潮の日、昼の干潮時のことです。数ミリの小さな雄花が無数に咲いて、海面を漂います。その姿はまるで小さな雪だるまのようです。 雄花は風や波の力を利用して雌花にたどり着き、吸い込まれるようにして中に入ります。雌花は干潮時にちょうど水面に出てくる水深に花を咲かせていますので、潮が満ちると自然と花弁が閉じます。こうして受粉が行われます。潮の満ち引きを利用したとてもユニークな方法ですね。大潮の日に、砂浜の水面に白い粒々が浮いているのを見かけたらそれはウミショウブの雄花かもしれません。潮が満ちてくると波打ち際に溜まっていることもあります。 日本では西表島と石垣島とその周囲の海でのみ見ることのできるウミショウブ。保護センターに寄せられた目撃情報によると6月~9月にかけて観察されています。今年は石垣島ではすでに開花が確認されていますが、西表ではまだ開花の情報が入ってきていません。大潮の日にぜひ観察をしてみてください。そして保護センターに情報をお寄せいただけると嬉しいです。【観察時の注意】潮が満ちて帰れなくなることが無いようにお気を付け下さい。場所によってはハブクラゲやカツオノエボシなどの危険生物が発生している場合があります。見分け方や刺された時の対処法など詳しくは下記のサイトをご覧ください。沖縄県衛生環境研究所HP 気をつけよう海の危険生物http://www.eikanken-okinawa.jp/(田口)