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やさしいなみだ

先日、イソヒヨドリの巣立ちヒナが死にました。
ある工場で親の餌を待ってうろうろしていてオイルがたまった入れ物に落ちてしまったのです…
工場のアイドルだったこのヒナはすぐに助け出され、
働いている方々の必死の看病を受けました。
特にある女性の方は仕事の時間も潰して一生懸命ヒナの身体を拭いてくれました。
一旦は元気になったように見えましたが親がなかなか餌を持ってこず翌日に亡くなってしまいました。
ダンボールに入れて親の戻りを待ったのですがだめでした。
「見守る」というのはとても難しいものです。
動物は人の視線を感じ取ります。
親が警戒しないようもっと私たちが工夫しなければならなかったと悔やみます。
うまく「放っておく」ことが必要だったかもしれません。
巣立ちビナはまだ羽も生え揃わず巣から落ちてしまったかのように地面で親の餌を待っています。
その姿はとても飛べるとは思えないのですがそれでいいのです。
少しずつ移動しながら飛べるようになっていきます。
このヒナを可哀想だからといって拾ってしまうことは図らずも「誘拐」になってしまいます。
優しい心と正しい知識があってこそ野生動物との共生が生まれます。
かつて日本を代表する鳥学者が唱えた「愛・知・和」という言葉が思い出されます。
「ピーちゃん」と名づけられて見守られていたヒヨドリのヒナ。
目の前の命を助けられなかった悔しさ。
じっとこらえていた女性のそのやさしいなみだに
ピーちゃんの「ありがとう」が聞こえてきます。
(福田)

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