2013年02月26日 カテゴリー:島の生きものNEWS 地域の力で外来生物駆除【ボタンウキクサ・祖納】 2月16日、祖納にある農業用水路に繁茂しているボタンウキクサの駆除作業に参加しました。ボタンウキクサは特定外来種に指定されているアフリカ原産の水草です。去年は、環境省職員とパークボランティアにより作業が行われていましたが、今年から竹富町と地域の公民館が行っていくことになりました。今回は、駆除の実施機関が移行して第1回目の作業ということで、環境省からは外来種の説明や、なぜボタンウキクサを駆除する必要があるのかを説明しに行きました。まずは特定外来生物とは何か?の説明のあと、身近にある10種の植物のカードを外来種と在来種に分けてもらいました。 【外来種と在来種を仕分け中】外来種である植物は、みなさんが普段からよく見ているものばかりです。外来種がどれほど多いかを感じてもらえたようでした。現在の西表島では、道路ぎわや、草地になっているような場所の草本類は、外来種がとても多いです。昔の西表島の集落風景の写真を見ると、道が舗装されていなかったり、牛車が通っていたり、家が茅葺き屋根だったり、人々の服装が違ったり・・・といったところに現代の生活との違いを感じますが、よくよく見てみると、道端に生えている草まで違うはずです。これから祖納の皆さんが作業されていく用水路も、10年前くらいにはボタンウキクサは無かったといいます。でも昔からの植物もあります。用水路で撮ったミズオオバコの写真を見せてもらうと、当日の参加者の中でも食べたことがあるとおっしゃる方々がたくさんいました。 【ミズオオバコ】昔からある生き物を大切に、地域の人達が自分たちの力で地域の原風景を取り戻していく。そんな作業を、西表島の中でも特に伝統行事が多く、地域の結束力が強い祖納という地域の皆さんが始められたということはこれからのお手本になっていくのではと期待しています。地域の皆さんの熱心な作業により、半日の作業で目に見えるボタンウキクサはほとんど水揚げされました。【子供からおばあまで参加した作業(上)/ お昼の牛そば(下)】最高においしかった作業後の牛そば。みんなが作業している間に婦人会の方々が準備してくださいました。水草を引き上げ汗を流す人、大きな鍋をかきまぜ汗を流す人、それぞれの分担があってこその駆除作業で、地域の団結力を感じました。(浅利)