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イワカワシジミの観察

昨年12月の中ごろ、センターの庭にあるクチナシの木に、直径5㎜ほどの穴のあいた実を見つけました。

クチナシの実にはイワカワシジミというシジミ蝶が卵を産み付けて、幼虫がその実を食べて育つということは知っていましたが、実際にイワカワシジミを見たことがなかったので、観察してみることにしました。
上の写真の実はすでに羽化した後だったので、幼虫が入っている実を探して観察しました。
イワカワシジミ_終齢幼虫.jpg
実の中の幼虫はすでに終齢幼虫になっており、クチナシの実の中身を食べ尽くした後だったので、もうすぐ蛹になるかもしれない、と期待しながら待ちました。
しかし、待てど暮らせどいっこうに蛹になるようすがありません。

お正月休みには家に連れ帰って観察を続けました。それでも蛹にはならないので、これは幼虫のまま越冬するのだな、と気長に待つことにしました。
それでもなかなか変化の見られないようすに、「本当に生きているのだろうか?」と疑い始めた2月上旬、ようやく蛹になっているのを確認しました。
イワカワシジミ_蛹.jpg
いよいよ羽化も間近かとわくわくしながら、もうすぐお別れかという寂しさも感じつつ観察を続けました。
観察していて面白かったのは、クチナシの実にはイワカワシジミの他に蟻が2~3匹入っていて、これがずっと実の中にいることでした。
生きているかどうか疑うほどじっとして動かないイワカワシジミに対して蟻たちはせわしなく動いています。

 

このイワカワシジミと蟻がどうして共同生活をしているのか、気になります。
蛹になってから2週間経って、ようやく羽化した成虫の姿を見ることができました。
イワカワシジミ_成虫.jpg
終齢幼虫を見つけてからの2か月半は長かったですが、このきれいな緑色の成虫を見ることができて良かったです。
飲まず食わずでこれだけの変貌をとげたイワカワシジミの姿に感動しました。
この個体は後翅外縁近くに帯状の白斑があることから、メスのようです。

 

翅の色や動きをひとしきり観察した後、センターのクチナシの木に放しました。
イワカワシジミの成虫が発生するのはこれから11月くらいまでのようです。
お近くにクチナシの木がある方は是非、穴のあいた実がないか観察してみてください(注:イワカワシジミの分布は八重山諸島~奄美大島、屋久島)。

(山城)

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