2012年01月31日 カテゴリー:島の生きものNEWS シジュウカラの巣と卵 先週、西表野生生物保護センターの老朽化した換気口の取換え工事がありました。その際に、工事の方が換気口の中に作られた鳥の巣を発見しました。最初は巣だとは気付かず、巣材をすっかりかき出してしまった後に、奥に小さな卵が3つ落ちているのを見つけたのだそうです。卵を取り出した際に1個は割れてしまいましたし、残った2個もカラカラになっていたので、そんなに新しい巣ではなさそうでした。卵の大きさは、写真を見ると分かるように、1円玉よりも小さく、1.4mm×1.8㎜ほどです。この大きさや模様から、シジュウカラの卵だと思われます。取り出した巣材を集めてみました。一番多いのは何かの木の薄い皮のようなもので、その中にテイカカズラの白い綿毛が多く混じっています。そのほかには、クロツグの繊維や鳥の羽毛、植物の根、灰色の化学繊維などが入っており、驚いたことにトゲのあるアダンの切れ端も入っていました。すでに形はくずれてしまっていますが、どのような産座だったのか、とても気になります。今回の工事で換気口は機能するよう完全に塞いでしまったので、今後同じ場所に巣が作られることはなくなってしまいましたが、シジュウカラはメジロとともにセンターの周辺でもっともよく見られる鳥なので、きっと近くで巣を作り、子育てをするに違いありません。最近シジュウカラのさえずりもにぎやかになってきたので、注意深く観察していきたいなと思います。(山城)