2011年09月10日 カテゴリー:島の生きものNEWS 秋の渡り鳥 9月に入ると、秋の渡りで南下してきた鳥たちが増え、夏の間静かだった西表島が一気ににぎやかになりました。2期目の稲作を始めた田んぼには水が張られ、白サギやシギ、チドリなどが集まってきています。海岸近くではミサゴが狩りをする姿も見られるようになりました。草地や道路ではセキレイ類がピョンピョン尾羽を振る姿が見られるようになり、懐かしい気持ちにさえなります(夏の間見られなかっただけですが)。そして、毎年この季節に楽しみにしているのが、ツバメの集団ねぐらを見ることです。本州などでは繁殖を終えた親たちと巣立ち雛たちがヨシ原などに集団ねぐらを作るのですが、渡りの中継地である西表島でも数百~数千羽の群れを見ることができます。西の空に太陽が沈み、空が暗くなり始めるころ、サトウキビ畑の上空に、ツバメたちが集まってきます。ツバメ_動画.wmvツバメの群れは飛び回りながら上空でだんだんと大きくなり、ツバメたちの声もにぎやかになります。その後、キビ畑の上を滑るように低く飛び始めると、5分もしない間にキビ畑の中へ姿を隠してしまいます。しばらくは飛び出してくるものがいたり、鳴き声が聞こえたりしていますが、最後には静かになるので、そこまで観察するのが私の楽しみ方です。渡ってくる鳥もいれば、去る鳥もいます。夏に西表島で繁殖をしていたリュウキュウアカショウビンやサンコウチョウの姿はもうあまり見られなくなりました。また、今はまだ見られますが、冬になるとキンバトの姿も見られなくなります。少しずつ変わる季節に寂しさを感じつつ、秋の渡り鳥の観察を楽しんでみてはどうでしょうか。(山城)