母ガメは、暗い所を目指して、産卵場所へ向かいます。
夜に浜が明るいと、母ガメは、どこで卵を産んだらいいのかわからず混乱してしまいます。
特に、浜から海へ向かってライトを照らすと、産卵しようと波打ち際まで来た母ガメが上陸できない要因となってしまいます。
陸上に上がっている時の母ガメは、とても神経質で、人影などで不安を感じると、産卵せずに海へ戻ってしまいます。
子ガメは、砂の中で生まれ、兄弟が一斉に地上へ進み、砂から出てきます。
砂から出た子ガメたちは、明るい海へ向かう習性を持っています。
もし、浜に明るいものがあったら、子ガメたちはそちらへ向かってしまい、海へたどりつけなくなってしまいます。
砂から出て波打ち際へと向かう時間が長くなると、多くの天敵に狙われやすくなったり、途中で疲れて死んでしまったりします。
そういうことで、産卵・孵化の時期は、夜の砂浜でライトを海に向けたり、たき火や花火などをして騒いだりしないようにすることが、光に敏感なウミガメの母子たちへの思いやりです。
ウミガメ類は絶滅危惧種に指定されています。
いつまでもウミガメがやってくる浜を守っていきたいですね。
(浅利)