2011年06月14日 カテゴリー:島の生きものNEWS 若夏の虫たち うりずん(うるずん)の季節が去り、梅雨のころから暑い夏になる前の5~6月を、沖縄では「若夏」というそうです。いつも昆虫の多い西表島でも、この時期は特に多くの昆虫が活発に動いているように見えます。 まさに今、産卵中のハラビロカマキリに遭遇しました。産卵してから現在まで10日ほど経っていますが、まだ孵化した様子はありません。ぜひちびカマキリたちが出てくるところを見てみたいと、毎日のようにチェックしています。オキナワチョウトンボもたくさんで群飛している様子がよく見られます。先日はちょうど交尾中のところを見ることができました。ナンヨウベッコウトンボの仲間。(追記:アカスジベッコウトンボと判明しました)オスが何個体かいましたが、なわばりをもっているらしく、隣のオスが近づくとすぐに飛んで行って追い払い、また同じ場所へ帰ってくる、という行動を繰り返していました。頑張っているオスの様子を観察しながら気付いたのは、不思議なことに、見ている範囲にはメスがまったく見つけられなかったことです。いったい、メスはどこにいるのでしょう。もうすぐ産卵期だとしたらきっと姿を現すと思うので、またしばらく観察を続けてみたいと思います。最後に、日本で見られるギンヤンマのなかでも最も大きいリュウキュウギンヤンマ。リュウキュウギンヤンマはメスが単独で水にお尻をつけて産卵するそうです。近くをオスが飛び回っていましたが、止まることがなかったので写真に撮れませんでした。7月に入ると、もう真夏の暑さで昆虫観察をするにも大変になってしまいます。時折涼しい風も吹くこの若夏の季節に、昆虫観察をしてみるのもいいのではないでしょうか。(山城)