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ヤエヤマオオコウモリ

八重山諸島に生息するヤエヤマオオコウモリは、夕方から夜にかけて活動する大型のコウモリです。

食べ物はおもに果実ですが、植物の葉や花を食べることもあります。

 

夕暮れ時に、電線にぶら下がっている姿を見たり、実のなる木で居場所を争ってキィキィとけんかする声を聞いたり、西表島ではとても身近な動物です。

10月、昼間に活動しているオオコウモリの姿をよく見かけるようになりました。

木にぶら下がって休息しているはずの時間に活動しているのはなぜでしょう?
その理由には、9月に八重山諸島を直撃した台風11号の影響があります。実りの季節は台風の季節。

オオコウモリのえさとなる果実は台風で落ちてしまい、葉っぱさえも飛ばされて、厳しいえさ不足になります。

そのため、昼間にもえさを求めて動く姿が見られるようになったのです。

上の写真でとまっている木は、オオコウモリの大好物の実がなるオオバイヌビワという木で、オオコウモリがたくさん集まることから島では「コウモリ木」と呼ばれています。

フクギやギランイヌビワ、ヤエヤマコクタン(クロキ)の実も好きです。

フンをするときには身体を反転させて前足でぶら下がります。

とても無防備な姿を見せてくれました。

台風後、真っ先に新芽を出すヤマグワや、他の木々も潮風で枯れた葉を落として、徐々に回復してきていますが、本当に山が緑に戻るにはまだまだ時間がかかります。

冬の間に餓死してしまうオオコウモリも少なくありません。
厳しい季節を乗り切るために昼も夜も活動するオオコウモリたちをもし見かけたら、温かく見守ってあげて下さい。
(山城)

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