その間に、オオヒキガエルが物資にまぎれて離島へ運ばれることを防ぐため、ここでは、毎年オオヒキガエルの駆除が行われています。
捜索開始の合図から30秒と経たないうちに「いた!」と声があがりました。
西表島での普段のパトロールでは見られないたくさんのオオヒキガエルたちに、ハンターたちの眼が光ります。
30分弱でこんなに捕獲されました(写真)。
こんなに簡単に見つかってしまうほどたくさんのオオヒキガエルがいることにびっくりすると同時に恐ろしさを感じました。
その後、バンナ公園近くのサトウキビ畑の脇にある水路へ。
今度はシロアゴガエルを探します。最初の一匹はわりとすぐに見つかったものの、その後はそう簡単には見つかりません(写真)。
シロアゴガエルを見つけるカギとなるのが特徴のある「ギギッ」という鳴き声なのですが、一声鳴いたらしばらく静かにしていて、忘れたころにまた一声鳴くという具合なので、場所の特定が難しいのです。
ずいぶん粘って5匹捕獲。それでも近くではまだ何匹かいるようで、声がしていました。
泡巣も見つけて除去しました。泡の中に卵があるのですが、3日でオタマジャクシになってしまうので、見つけたらすぐに除去しないとすぐに数が増えてしまいます。
外来の生きものが入ると、島の本来の生きものたちのすみかや食べものを奪ってしまう可能性があります。
小さいシロアゴガエルは、車のホイールなどにくっついたりして簡単に遠くに運ばれ、一度島に入ってしまったら探すのはとても大変です。
石垣島で初めてシロアゴガエルの鳴き声が確認されたのは3年前。
たった3年間で島中に広がりました。オオヒキガエルは毒を持っていて、カエルを餌とするイリオモテヤマネコが間違えて食べたら、死んでしまう恐れがあります。
生物多様性の大切さが叫ばれる昨今ですが、きれいごとでは済まない厳しさもあります。
在来の生きものを守るために捕獲された外来カエルたちは、冷凍されます。もともとは人間によって運ばれたカエルたちには罪はありません。
カエルに限らず外来の生きものを外に放さないこと。これを守っていかなければならないと思います。
(浅利)