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カンムリワシの再保護と再放鳥

2日、月曜日のお昼前、交通事故に遭ったカンムリワシが保護センターに持ち込まれました。
衝突により脳震盪を起こしたのか道路上で動けなくなっているところを発見者の方が保護してくれました。
口から大量の血を吐いてもいたため事故による内臓の損傷が心配されました。
外傷や骨折のあることも考えられたため、すぐに獣医さんによる診察・治療を受けることになりました。
触診の結果、骨折等は見られず一安心しました。投薬を行い、体が冷えないように保温をしつつ様子を見守ることにしました。

 

保護された個体は、よくよく見るとウィングマーカーという標識を付けている個体でした。
過去の保護記録を調べたところ、今年の2月にも衰弱しているところを保護された個体でした。
当時は幼鳥でしたが、体力が回復したため3月には放鳥をしていていました。
今回もどうか元気になって欲しいと願いつつ、湯たんぽや電気ストーブで一晩中保温を続けました。

翌朝はまだ弱弱しい様子でうずくまっていました。

今回は厳しいのかなと半ば覚悟をしていたのですが、昼には箱から飛び出すまでに元気になってくれました。
再度、診察を受けたところ回復傾向が確認できました。
翌日の水曜日には、野外のリハビリケージに移して、放鳥出来るかを判断することになりました。
リハビリケージでは元気に飛び回り、順調な回復の様子を見せてくれました。
これなら大丈夫と、6日木曜日の朝に保護現場付近で放鳥を行いました。
保護当日の弱弱しくうずくまり、診察・治療時にもほぼ無抵抗な様子を見ていただけに、無事に飛んで行った姿を見たときの感慨はひとしおでした。

放鳥直前の様子
じつは保護してくださった方の他にも、目撃情報をくださった方もいらっしゃいました。
11時頃に保護現場付近でカンムリワシを目撃したが、その前の9時頃に現場を通ったときにはカンムリワシは見かけなかったそうです。
保護時の状況や目撃情報をあわせると、今回のカンムリワシは事故の比較的すぐ後に保護し、治療ができたと考えてよいと思います。
皆さんの善意がカンムリワシの命を救うだけでなく、早期の放鳥につながったのではないでしょうか。
ご協力ありがとうございます。
今後は目撃情報を集めるなどして放鳥したカンムリワシの様子を見守っていきます。
ウィングマーカーを付けたカンムリワシを見かけた場合は、ぜひ保護センターにお知らせください。
そのほかの動物の目撃情報もお待ちしています。
(田口)

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