2011年09月16日 カテゴリー:島の生きものNEWS 青いしっぽのトカゲは…? 先日、保育所でキシノウエトカゲが保護されました。雨どいのところで出られなくなっているところを保育士さんが助けてくれました。こどもたちは「ヘビだ!ヘビ!?」と大騒ぎ。「ヘビじゃないよ。トカゲさんだよ。よーくみてごらん」みんなでお別れを言って、トカゲさんは無事に帰りました。これが保護されたキシノウエトカゲ。しっぽも入れて30cmほど。でもまだ線がくっきり残っていますね。これはまだ高校生くらい。もうちょっと大きくなります。写真がちょっと悪いけどごめんなさい。これがおとなのキシノウエトカゲ。全長40cmにもなります。そして線が見えなくなります(メスは残ることが多いです)。国の天然記念物で、準絶滅危惧種でもあります。こちらは見慣れたトカゲさんですよね?青いしっぽがきれいです。これはイシガキトカゲの子ども。でもでも、キシノウエトカゲの子どもは、なんとこのイシガキトカゲの子どもとほとんど見分けがつきません。青いしっぽのトカゲは天然記念物ではないと思っていませんでしたか?そこで、青しっぽのトカゲの見分け方!耳の後ろから前足の付け根にかけてのラインを見ます。不規則に途切れているならキシノウエトカゲ(右)、つながってきれいな線になっていたらイシガキトカゲ(左)です。イシガキトカゲもおとなになるとラインがなくなり、しっぽも青くなくなります。けれど、キシノウエトカゲのように大きくなることはありません。最大でも15cmほどです。そして、そのくらいの大きさであれば、キシノウエトカゲはまだくっきりラインが残っていますのでラインがなくなったイシガキトカゲとは区別がつきます。イシガキトカゲのおとな(成体)はあまり目につかないですから、知らない人もいるかもしれません。私は家の裏庭の砂を掘っていたら立派な成体が2匹出てきたことがあります。何してたのかな?こどものころはそっくりで、おとなになると大きさがずいぶんちがうこの2種のトカゲは、お察しのとおり近い仲間です。そして時に同じ場所で見かけることもあります。彼らがどのように暮らし、どのように棲み分けているか、実はまだよくわかっていません。キシノウエトカゲは海岸近くの低地に多いので、庭先などでもよく目にします。今朝も庭先にキシノウエトカゲのしっぽだけが転がっており…西表島はすぐ身近に天然記念物がいますね!そう思うととても豊かな島だなぁと実感します。(岡村)