2011年06月29日 カテゴリー:イリオモテヤマネコNEWS 悲しい交通事故 6月22日、夜22時過ぎ、ヤマネコがまた1頭、交通事故で死んでしまいました。運転されていた方は、ヤマネコを助けようと必死に連絡してくださいましたが、残念ながら、ほぼ即死の状態でした。苦しまずに逝ったことは状態からわかりました。。このヤマネコには発信機がついており、大学によって行動追跡調査がなされていました。また、私たちの自動撮影モニタリングでもおなじみの個体でした。W-134というメスで、去年も2頭の子どもを産み、しょっちゅう道路に出てくる困ったお母さんでした。駆けつけてすぐ、死んでしまったのがW-134だと気づき、お乳を調べました。すると、ミルクが出るのです。子どもを産んですぐか、もしくはまだ妊娠中かもしれないと思いました。予想は的中し、その後の解剖の結果、出産後まもない可能性が高いことがわかりました。だとすると子ネコはまだ巣穴にいるはずです。しかし、そうなると悔しいことに私たちには手も足も出ません。ヤマネコの巣穴は巧妙に隠されており、人が闇雲に探しても見つかることはまずないのです。。。母親のミルクだけに頼っていた子ネコも絶望的です。当事者の方もたいへんに悲しまれておりましたが、ほんとうに悲しい事故でした。元気だった頃のW-134です。そして上の場所が事故現場です。ここでは2008年にも交通事故が起きて、ヤマネコのオスが死亡しています。事故が起こりやすい場所として、みなさんにも覚えておいていただきたいです。夏はお母さんヤマネコの子育てシーズンです。今年はあちこちで子ネコが育っており、もうすでに親離れしようとしている子、まだお母さんについて歩いている子、これから生まれようとしている子など色々います。本来なら喜ばしいニュースとしてみなさんにお伝えしようと思っていたのですが、残念ながら悲しいお知らせになってしまいました。子育てに忙しい母ネコは車の前に飛び出してきます。親離れしたての子ネコは車が来ても逃げようとしません。どうかみなさん、悲しい事故がこれ以上起こらないよう、気をつけて運転してあげてください。それでも、万一事故を起こしてしまったときには、どうか緊急ダイヤル0980-85-5581(24時間対応)にご連絡ください。故意でなければ罪に問われることはなく、救命につながるかもしれません。死んでしまっても、今後の事故対策にとても貴重な情報となります。よろしくお願いします。m(_ _)m(岡村)