2024年07月16日 カテゴリー:お知らせイリオモテヤマネコNEWS 7月〜8月はイリオモテヤマネコ交通事故防止強化月間です! イリオモテヤマネコ交通事故防止対策連絡会議では、イリオモテヤマネコの交通事故を防ぐ目的で、西表野生生物保護センターで集めている目撃情報と交通事故の記録をもとに、ヤマネコの事故リスクの高い期間を「イリオモテヤマネコ交通事故防止強化月間」としています。強化月間中は、関係する機関・団体で連携し、活動を強化します!令和6年度は、7月~8月が強化月間です。ここでは、7月中旬から8月中旬にかけて実施を予定している活動をご紹介します。 活動1 安全運転の呼びかけ 西表島の玄関口である港や県道沿いでの交通安全運動、ヤマネコ目撃情報の多い地点における夜間の注意喚起を実施する予定です。ドライバーさんに対して、人や生き物にやさしい運転を呼びかけ、安全運転への意識を向上していただくことを目指します。まーやも頑張ります! 活動2 道路沿いの草刈り 夏場は特に道路沿いの雑草が生い茂り、ヤマネコが道路沿いに居ても草に隠れて見えにくくなってしまいます。草の向こう側から急にヤマネコが飛び出してきてもブレーキが間に合わず、交通事故が起こってしまう危険性が高まります。事故リスクを軽減するために、草刈り活動を実施します。 活動3 情報発信の強化 来島を予定している観光客や島民のみなさまに7月~8月が強化月間であることを周知するため、センターのSNSをはじめ、各連携機関のHPやSNSを通して活動内容などを発信します。センターのfacebookやInstagramをご覧ください。 ヤマネコの交通事故リスクと強化月間の設定 ~事故のリスクの高い月は?~【目撃情報より】過去3年間(2021年1月~2023年12月)の目撃情報によると、1年の中でヤマネコの目撃が多くなるのは5月~8月でした(図1の青い棒グラフ)。この時期はヤマネコの仔育てシーズンで、母ネコが仔ネコを連れて行動します。仔ネコは警戒心が薄く道路に出てくることも多くなります。次世代に命をつなげていくためにも、特に母ネコや仔ネコが交通事故により命を落とすことは避けたいところです。【交通事故の発生事例より】1987年(初のヤマネコの交通事故が報告された年)から取りはじめた記録を見ると、これまでで事故が1番多く発生した月は11月でした(図1の赤い折れ線グラフ)。また交通事故の起こった直近5年間では、7月、10月、12月が最多となりました(図2)。※2020年、2023年、2024年7月時点で無事故のため、図2は2017年からのデータで作図しています。 図1 月別の目撃件数と事故件数との比較 対象記録_目撃件数:2021.1-2023.12 事故:1978-2023 図2 交通事故の起こった過去5年間の事故発生月対象記録‗2017年、2018年、2019年、2021年、2022年 【交通量より】交通量に関する正式な調査記録はありませんが、個人観光客が多く来島する夏休みシーズンに入るとレンタカーの利用が多くなることが予測されます。また、島内事業者の方々の活動も観光客数に伴って活発になり、交通量が多くなることが考えられます。以上のヤマネコ・人両方の要因から事故リスクが高まる可能性があるため、7月~8月を強化月間として設定しました。西表島では、道路の下に設置した生き物のための通り道(アンダーパス)や道路への進入を防止する柵の設置、車の接近を生き物に伝えるためのゼブラゾーンなど、ヤマネコのロードキル防止のため、ハード対策にも力を入れています。強化月間では主にソフト面の対策に力を入れて活動を行います。 図.3 ヤマネコの年別交通事故発生件数 1978年-2024年 ヤマネコの交通事故件数は2010年代以降、増加傾向にあります(図3)が、みなさまのご協力のおかげで2023年は無事故を達成し、2024年も本日時点で無事故日数記録を更新しています。西表島の観光も楽しみつつ、生き物にもやさしい運転のご協力をお願いいたします!また、センターではヤマネコの目撃情報を集めています。皆さまから寄せられた目撃情報は、移動式看板の設置や運転注意マップの発行などの事故対策に役立てられます。こちらもご協力をどうぞよろしくお願いいたします。