石垣島、西表島に生息するヤエヤママルバネクワガタは愛好家の間で高い人気があります。大量に採集されれば個体群に影響が出てしまうため、採集者が集まる夜間に大量採集や幼虫の餌となる朽ち木の採集を行わないよう注意喚起を行います。また、採集者の遭難対策も兼ねて入林届を提出するよう周知します。
パトロール中には幸運にもイリオモテヤマネコの姿を目撃することができました。
浦内川沿いには稲葉集落という50年前に廃村になった集落がありました。当時、稲葉集落では稲作が営まれていましたが、現在水田は放置され草原へと遷移しつつあります。以前の稲葉集落の水田は水を貯え、湿地としての役割を果たしており、水生生物をはじめ多くの生物の生息地となっていたようです。環境省では今後、放置された水田に手を加えることで、生物多様性を高めることができないか検討を行っているようです。今回のインターンシップでは、土地所有者で元村民の方の先導の下、プロジェクトを始動させるための調査に同行させていただきました。
【イリオモテヤマネコの交通事故対策】
試験的に設置している簡易柵の効果を確かめるため、事前に設置したカメラのデータを回収しました。今回の簡易柵は警戒心の薄い子猫の道路進入防止用でしたが、カメラに子猫は映っておらず、大人のイリオモテヤマネコがネットの内側に沿って歩いている様子を確認できました。簡易柵は、軽く設置・撤去がしやすい、価格が安いなどの利点があります。
交通事故対策を考えるうえで、設備の効果のみでなく維持管理のしやすさも追及していく必要がある事がわかりました。
アンダーパスをヤマネコが通れる状態になっているかチェックしました。アンダーパスは定期的に管理をしないと植物や堆積物で入り口がふさがれてしまいます。そのため、どのくらいの頻度で管理をすればよいのか調査し、アンダーパスを維持管理するための体制づくりを行っているそうです。