2020年10月15日 カテゴリー:お知らせ インターンシップpart2 9月の28日から10月2日までの5日間、当センターにて今年度二人目の実習生を受け入れました。 インターンで来られる学生さんたちはひとりひとりそれぞれに、本当に熱心に取り組んでいただいており私たちも毎回刺激をもらっています。西表野生生物保護センター/環境省での実習から学びを深めてもらうと同時に、より西表島を好きになってもらえると嬉しいなぁと思いながら。 さて、実習を終えた東京農業大学の芳賀(はが)さんから、メッセージが届きましたのでご紹介します。 東京農業大学 芳賀さんより インターンシップを終えて西表野生生物保護センター2020年9月28日~10月2日 2020年9月28日から10月2日までの5日間、私は西表野生生物保護センターのインターンシップに参加しました。学芸員養成課程の一環である博物館での実務実習として受け入れていただきましたが、博物館業務のほかにも環境省としての業務も見学・体験させていただきました。 【9月28日】 インターン初日は施設内の案内を受けた後、看板用のマグネット制作を主に行いました。屋外ケージには西表島の自然がそのまま残っており、実際の生息地に限りなく近い環境での飼育やリハビリが可能となっていました。看板用のマグネットは世界遺産登録に向けた取り組みの一つであり、動物の交通事故を防ぐための注意喚起が海外から来た観光客にも伝わるよう『SLOW DOWN』の文字を反射素材のマグネットで作成し、看板に貼り付けます。 【9月29日】 2日目は主に展示説明や来館者対応の見学を行いました。 現在センターではヤマネコの飼育・保護個体の一般公開は行っていないのですが、生きたヤマネコが見たいとセンターを訪れる方が多く、そのような方たちを生きもの掲示板へと誘導しヤマネコの目撃情報があった場所を紹介するとともに運転時の注意喚起を促すのは、センターならではの接客術であると思いました。 また、ヤマネコパネル展のおすすめの本コーナーに私が選んだ本を置いていただけることになったので、たくさんの人に手にとっていただけると嬉しいです。 【9月30日】 3日目は横断道の看板整備を行いました。 往路では、倒れてしまった案内板を立て直して、マヤグスクの滝を眺めながらお昼ごはんを食べました。ちょうどインターンが始まる前にテレビ番組でマヤグスクの滝が取り上げられているのを見て、いつか自分の目で見てみたいと思っていたので夢が叶ってとても感動しました。復路では標識の汚れの拭き取りをしました。この日の活動にはパークボランティアさんが同行してくださり、センターの活動や西表島の環境はたくさんの人の協力によって支えられているのだと実感しました。 【10月1日】 4日目は午前中にヤマネコ看板の設置とアンダーパスの確認、午後は自然保護官の竹中さんから国立公園や世界自然遺産の説明を受けた後、カヌーに乗って前良川の巡視を行いました。 午前中はヤマネコをはじめ西表島の動物たちを守るためのセンターの取り組みを、午後の説明では世界自然遺産登録に向けた西表島の取り組みを学びました。前良川の巡視では、小学校以来のカヌーに苦戦しましたが雄大なマングローブ林を間近に見ることができて西表島の美しさを改めて実感しました。 【10月2日】 インターン最終日は、ヤマネコ注意マップの配布を行いました。 マップを配っていると昨日設置をお手伝いしたヤマネコ看板に気づいてくださった方が多く、「看板立ちましたね」と声をかけていただきました。この一言から、地元の方々のヤマネコの保全に対する意識の強さや、センターの取り組みがきちんと地域に根付いていることが感じられました。 5日間のインターンシップを終えて、特に印象に残っているのは西表野生生物保護センターと地域との結びつき、また、島民全体の団結力がとても強固であることでした。運転注意のポスターや地元学生手作りの看板からはヤマネコやカンムリワシへの愛が感じられました。マルバネクワガタシーズンのパトロール会議では林野庁や竹富町役場の方と、横断道の整備やインターン終了後に参加させていただいたツルヒヨドリの駆除ではパークボランティアの方々とお話しする機会をいただき、たくさんの人の協力が西表島を守っていることがわかりました。そしてそれらの保全や普及活動の中心となるのが西表野生生物保護センターであり、今回のインターンでは最前線の現場を見学・体験することができてとても貴重で充実した時間を過ごさせていただきました。 私は野生動物が大好きで、大学でも生態系やその保全に関する研究を行っています。また、卒業後も環境や動物の保全に貢献できることがしたいと考えているので、今回の体験を活かして自分に何ができるのか、何をしたら良いのかを見つめなおそうと思いました。 西表野生生物保護センターの皆様をはじめ、西表島の皆様には大変お世話になりました。お忙しい中、また新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、インターンシップを受け入れてくださり本当にありがとうございました。 芳賀さん、ありがとうございました!またお会いできる日を楽しみにしています。