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インターンシップ実施

 9月の14日から18日までの5日間、当センターにてインターンシップを受け入れました。コロナの影響下で何度も検討を重ねたうえでようやく実施できた今年度一人目!
 今回お越しいただいた東京農業大学の田村くんから、メッセージが届きましたのでご紹介します。

東京農業大学 田村くんより

西表自然保護官事務所および西表野生生物保護センターにて、インターンシップでお世話になりました田村です。
この度、9月の14日〜18日の5日間のインターンシップをさせていただきました。活動についてご報告いたします。
 
インターンシップでは、主に
 
1.アンダーパス調査
2.特定外来生物ツルヒヨドリの駆除
3.西表島横断道の整備
4.ヤマネコ展おすすめ本コーナーの作成
5.携帯トイレ活用に関する連絡会議の傍聴
 
といったことをさせていただきました。
1.アンダーパス調査
 
アンダーパスは、ヤマネコのロードキルを防ぐために県道の下に設置されたトンネルですが、この多くには水が流れていたり、周囲に植物が繁っていたりします。このため、出入り口は増水時の漂着物が積もることや、アダン等が繁茂することで塞がれ、ヤマネコが利用できない状態になる場合があり、その障害物を取り除く必要が出てきます。そこで今回は、どのアンダーパスで障害物を取り除く必要があるか見回るという調査の一部に同行させていただきました。地道な活動の重要性をひしひしと感じました。
2.特定外来生物ツルヒヨドリの駆除
 
ツルヒヨドリは、アメリカ大陸が原産の植物です。垂直方向には蔓で、水平方向には枝分かれし地面を這うように広がるほふく茎で繁茂するうえで驚異的な繁殖力をもつので、最終的には覆い尽くされるという恐ろしく厄介な外来生物で、特定外来生物に指定されています。西表島にも侵入が確認されていて、現在は大規模な広がりを見せる前に、環境省とパークボランティアの方々で、定期的に駆除を行なっています。
今回は、このツルヒヨドリの駆除に参加させていただきました。ツルヒヨドリのほふく茎は節々から根が出るので、これを確実に抜き取ることが肝要ですが、茂みの他の植物の間を縫うようにして広がっていて、その抜き取りがとても大変な作業でした。
侵略的な外来生物の駆除は、人手と手間がかかる作業であることを知識だけでなく実務で実感し、自分にもボランティア等で大きく貢献できるということ、意図の有無に関わらず持ち込まないことの重要性を強く感じることができました。
3.西表島横断道の整備
 
西表島横断道は、島の東部と西部を浦内川沿いに結ぶ登山道です。亜熱帯気候においては、内地の比ではない速度で植物が繁茂し、登山道は分かりにくくなります。このため、定期的に歩いて整備をして回る必要があり、この整備に同行する機会をいただきました。
目印となるピンク色のリボンの付け直しや見やすい場所への新たな設置、視界を遮る植物の枝打ち、案内板のコケ落としといった作業を、大富口から中央広場まで行いました。
蒸し暑い中で長距離を歩きながら、業務をこなす集中力を保つ胆力は凄まじいもので、野外調査をすることがある自らも見習いたいです。
4.ヤマネコ展おすすめ本コーナーの作成
 
現在開催されている企画展「ヤマネコパネル展」において、おすすめ本コーナーを展示させていただきました。
蔵書の中からヤマネコに関連するおすすめ本をピックアップし、簡単な紹介をするという図書館司書的な業務で、西表野生生物保護センターの機能の総合性を垣間見た場面でした。
上段に専門書を配置したり、その下には絵本を配置したりと、身長差を利用してターゲットの年齢層の目に映りやすい本を工夫したつもりでしたが、いかがでしたでしょうか。
5.携帯トイレ活用に関する連絡会議の傍聴
 
現在、自然環境の保全と適正利用を推進するべく、ネイチャーガイド利用者への携帯トイレの配布やバイオトイレの設置といった対応を模索しています。この対応の中で、行政機関や関係団体間での連携を図るため行われているのが、この連絡会議です。第2回とのことでしたが、このような現場での話し合いに立ち会える貴重な機会ですので、傍聴させていただきました。
バイオトイレは微生物を利用する性質上、人数制限や石油の含まれない紙限定、停電への脆弱性などと、若干デリケートな面があり、西表島の環境で利用できるのか、維持管理やメンテナンスがどれほど必要かを試験設置でモニタリングするようでした。夏場の室温の上昇が課題と指摘されていましたが、私も室温による使用感と、トイレの使用温度範囲を超えた場合の機能は気になりました。これから夏場での試験運用の結果から、またさらに使用期間の限定をする必要の有無といった議論に繋がっていくと思います。
 この他にも、ヤマネコパネル展の設営のお手伝いや歩道の除草試験、といったような、多くの業務に携わることができました。これらの業務から、西表野生生物保護センターの施設としての総合性を実感しました。また、自然保護官の業務もフィールドでの作業から住民との話し合いまで多岐にわたるので、スキルだけでなく遂行力や総合力が問われる、プロフェッショナルでありながらもジェネラリストである方々だと、私の目には映りました。
 
 普段では、環境省の業務を実際に見ることは少なく、ほとんどが法令でのみ触れてきました。そのため、この5日間はインターンならではの、業務を行う側という視点を実際に持つことができた貴重な経験となりました。
 
 西表野生生物保護センターの皆様、インターン生として受け入れてくださり、暖かく迎えてくださいまして、ありがとうございました。
 
東京農業大学4年 田村