ブログ

インターンシップを受け入れました。

 1月20日から24日までの5日間、当センターにて大学院生のインターンシップを受け入れました。インターンシップ受け入れは本年度に入って3人目になります。

 今回お越しいただいた信州大学の井上恵輔さんから、メッセージが届きましたので以下にご紹介します♪

___________________________________

 西表自然保護官事務所および西表野生生物保護センターでインターンシップをさせていただいた井上です。5日間のインターンシップで活動した内容を一部報告させていただきます。

 

1. イリオモテヤマネコモニタリング写真整理のための準備作業

 初日はあいにくの雨で当初予定されていたピナイサーラの滝周辺の調査は中止となり、イリオモテヤマネコのモニタリング写真の整理を行いました。モニタリングは数十年行われていますが、昔はフィルムを使用したカメラを用いていたために膨大な量の写真が残されていました。これらの写真を電子データ化するために業者に送る前の準備作業をお手伝いさせていただきましたが、昔のファイルは色あせてタイトルが見えなくなっているものもあったので少し大変でした。電子化されたデータは将来のイリオモテヤマネコ保護に利用される貴重な資料となりますので重要な仕事であると感じました。

2. 外来植物ツルヒヨドリの駆除作業

 西表島の白浜地区では外来種のツルヒヨドリが侵入している場所があります。この生物は茎や根の一部が残っただけでも成長するほど繁殖力が強いため、西表島全域に広がる可能性もあり在来生態系への影響が懸念されていました。駆除は在来種への影響のない方法で行う必要があるため、手抜きや木酢液散布が行われています。今回はボランティアの方々と手抜きでの駆除作業を行いましたが、島内の一部ではあるものの広範囲に広まっており、繁殖力の高さを目の当たりにしました。過去に駆除作業を行った場所においても、のこった茎や根から成長したものが多くいました。今回の作業で多くのツルヒヨドリを駆除することが出来ましたが、またまだ繁茂している場所もあるようなので西表島の貴重な生態系を守るために今後も作業を続けていく必要があると感じました。

3. ピナイサーラの滝周辺登山道の利用者カウンターと携帯トイレブースの確認

 ピナイサーラの滝は西表島の中でも有名な場所の1つであり、多くの観光客が訪れています。しかしながら、滝周辺をどの程度の人が利用しているのかはよくわかっていないのが現状でした。また、滝周辺にはトイレがないために観光客のし尿が問題となっていました。今回は滝周辺に設置された2つの利用者カウンターの確認と、し尿問題の対策として配布されている携帯トイレ使用ブースの確認を行いました。カウンターを確認した結果、利用者は1か月半ほどで1000人程度いるようで、オフシーズンにもかかわらず多くの人が訪れていることには驚きました。携帯トイレ使用スペースはシートで遮られており、特に匂いがすることもなく良好な状態でした。昔は多くのし尿により悪臭が漂っていたようですが解決に向けて進んでいるようです。

 

4. エコツーリズム推進に関する会議と住民説明会の傍聴

 西表島では、近年増加傾向にある観光客が問題となっている面があります。例えば、自然の中に入るツアーによって自然を破壊するようなことや西表島内外の行き来に利用する船に島民が乗れなくなること、夏場に島内の水が足りなくなることがあることです。こうした事態を防ぐため、同時期に人が集中しないように観光客の来島日を分散させる必要があります。法律的に来島を人数で制限することは難しいようで、混雑日を知らせるカレンダーを作る等して分散させる案が出ていました。ツアー客による自然環境の破壊対策は1日あたりのツアー数制限や、人数制限するなどして環境に配慮するようです。ただ、ツアーの人数制限に関してはガイドの人達との折り合いなどがあるために合意形成のためには会議や説明会を続けていく必要がありそうだと感じました。

 これら以外にもイリオモテヤマネコ保護のために設置されたアンダーパスの確認や、今後保護センターで行われる予定のバックヤードツアーリハーサルの見学など、多くの業務に関わらせていただきました。

 実際に業務を体験して国立公園の管理には多大な労力がかかっていることに改めて気づかされました。山内での調査や希少生物のための保護のためには実際に現場に出る必要がありますし、環境保全のために何かを規制するためには住民との意見交換が必要です。今回のインターンシップではこれらの業務に実際に参加させていただけたので西表島に来るだけでは気づくことが出来ない問題を知ることができ、短い期間でしたがとても良い経験でした。

 最後になりますがインターンシップとして受け入れてくださった西表自然保護官事務所の皆様、本当にありがとうございました。

__________________________