この個体は5月13日に浦内の集落内に衰弱した子ネコがいるとの連絡が入り、緊急的に保護をした個体です。
保護当時はかなり痩せており、逃げる気力もないほどに弱っていました。
保護センターに運んで診察・治療を開始したところ段々と回復をしてくれました。
外見からはわかりませんでしたが、獣医師による診察結果から、原因は不明ですが下顎には小さな割れがあり一部の歯が外側に曲がっていることがわかりました。
NPO動物たちの病院沖縄の獣医師による治療や2カ月半にわたる救護飼育を経て、体長が回復し、また順調に成長しました。保護時には520gしかなかった体重は、放獣前の最終診察では2000gを超えるまでに増加しました。
下顎に異常が見られたことから、野生での餌動物をうまく捕食できるかが心配でしたが、生きたカエルを捕らえて骨ごと食べたり、硬いヘビ肉も問題なく食べるようになりました。
その他、木登りなどの野生での生活に必要とされる行動についても問題がないと判断されたことから、野生復帰をさせることになりました。
西表野生生物保護センターでは、放獣後のモニタリングのために目撃情報を集めています。
特にケガをしている、衰弱をしている場合には早急にご連絡お願いいたします。
他の個体と見分けられるように、W-217♀は尾の先端の毛を刈っています。
尾の毛は1ヶ月ほどで元のように生えそろいます。