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子ネコが道路に出ています!〈大見謝周辺〉

6月28日の昼、台風5号の前に安全のために倒していた移動式の注意看板を立て直しました。
看板には、夜でも目立つようにソーラー電池で光る工事灯“ソララ”が付いています。ちゃんと光っているかどうか心配で、仕事が終わった後に北岸へ見に行きました。
すると・・・
大見謝子ネコ_2.jpg
夜8時15分、大見謝橋近くの歩道に、ヤマネコの子ネコを発見!!
昼間の日差しで温められたアルファルトの上で、いわゆる猫座りの体勢でくつろいでいたのです。
干立や古見では子ネコの目撃もありましたが、まさか自分で見るとは思っていなかったのでとても驚きました。
逃げるかもしれないと思いながらもカメラを抱えて車を出てみました。
ところが、この子ネコ、まったく気にする様子がありません。ストロボの光にもまぶしい顔をするだけで、座ったままでいました。
ほんの1、2メートルの距離まで近づき、こちらのことを認識しているにもかかわらず、ほとんど反応がありません。
普通の成獣であれば、ライトを当てるだけでも逃げますし、ましてや車から人が降りたらすぐに走って行ってしまいます。

子ネコは警戒心が薄く、人が近づいても逃げないということは知っているつもりでしたが、実際に目の前で見ている子ネコのあまりに無邪気な顔に、「これではいつか事故に遭ってしまうのでは・・・」と恐怖を感じるほどでした。
この子ネコは、まだ独り立ちしたばかりで、親から離れてもまだときどき合流したりしているくらいの大きさでした。きっと、これまでに怖い目に遭ったことがなく、車や人に対して警戒するということをまだ知らなかったのでしょう。
ここで、人が怖いもので、道路は危ない場所だということを覚えてもらうために、手を叩きながら近づいたら、ようやく起き上がって、草むらへ走っていきました。それでもまだ心配だったので、一度遠くへ離れてから戻ってきたら、やっぱりいました。
子ネコの動く様子を動画で撮っておこうと思い、またカメラを持って車を出ました。
すると・・・

歩道上にいた子ネコは、車のヘッドライトに集まる虫に反応したのか、こちらに近づいてくるではありませんか。
私のすぐ目の前まで近づいてきたので、あまりにびっくりして、カメラを止めてクラクションを鳴らして追い立てました。すると、走って草むらの方へ入っていきました。
一見すると、子ネコをいじめているように見えるかもしれませんが、交通事故に遭って死んでしまわないように、今、覚えてもらうことが大事なので、心を鬼にして、子ネコを追い払ったのでした。
そして、家に帰ろうと東部へ向かいましたが、やっぱり途中で心配になって、約30分後にまた戻ってみました。すると、今度は車道上にちょこんと座っていました。
さすがに、このときはすぐに道路脇の方へ逃げたのですが、通り過ぎてUターンしてくると、海側の側溝に座っていました。

大見謝子ネコ_3.jpg
この顔を見ると、危険なものを学ぶにはまだまだ時間がかかりそうです。
再び、クラクションと手を叩いて音を出したりして追い立てて、土手の上までのぼるのを見届けてから、ようやく家路についたのでした。
翌日は、さっそく交通事故を防ぐための対策をとりました。
目撃した辺りの草刈りをして、車から道路脇にいる子ネコを発見しやすいようにしました。また、看板を増やし、「子ネコ注意」の文字が光るように反射シート付きのマグネットを張りました。
そして夜は、子ネコを目撃した時間帯(交通量が多い時間でもあります)に、車でパトロールをすることにしました。もし、後ろに「子ネコ注意」のシートをつけた車を見かけたら、それはセンターの車です。
どうか、付近を車で走行する際には、子ネコがいるかもしれないということを念頭においてゆっくり運転してください。
何度も書きましたが、子ネコは警戒心がとても薄いです。
もし子ネコを道路際等で目撃した場合には、道路から離れるように声やクラクションで追い立ててください。
そして、その時の状況を教えていただければ今後の対策に役立てられますので、西表野生生物保護センター(0980-85-5581)までご一報下さい。
(山城)

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