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7月〜8月は、イリオモテヤマネコ交通事故防止強化月間です!

イリオモテヤマネコ交通事故防止連絡会議では、イリオモテヤマネコの交通事故を防ぐ目的で、ヤマネコの事故リスクの高い期間を「イリオモテヤマネコ交通事故防止強化月間」としています。

これは、西表野生生物保護センターで収集している目撃情報と交通事故の記録をもとにしているものです。

強化月間中は、関係する機関・団体で連携し、交通事故防止のための活動を強化します!

令和7年度も7月〜8月を強化月間として様々な活動を実施する予定です。

ここでは、今年度実施予定の活動をご紹介します。

動1:安全運転の呼びかけ

交通安全運動

西表島の玄関口である港や県道沿いでの交通安全運動や、ヤマネコ目撃情報の多い地点における夜間の注意喚起を実施する予定です。ドライバーさんに対して、人や生き物にやさしい運転を呼びかけ、安全運転への意識を向上していただくことを目指します。まーやも頑張ります!

活動2:道路沿いの草刈り

草刈り活動」

夏場は特に道路沿いの雑草が生い茂り、ヤマネコが道路沿いに居ても草に隠れて見えにくくなってしまいます。草の向こう側から急にヤマネコが飛び出してきてもブレーキが間に合わず、交通事故が起こってしまう危険性が高まります。事故リスクを軽減するために、草刈り活動を実施します。

活動3:情報発信の強化

来島を予定している観光客や島民のみなさまに7月〜8月が強化月間であることを周知するため、センターのSNSをはじめ、各連携機関のHPやSNSを通して活動内容を発信します。

センターのFacebookまたはInstagramをご覧ください。

ヤマネコの交通事故リスクと強化月間の設定

〜事故のリスクの高い月は?〜

【目撃情報より読みとれる傾向】

過去3年間(2022年1月~2024年12月)の目撃情報によると、1年の中でヤマネコの目撃が多くなるのは6月〜9月でした(図1の青い棒グラフ)。この時期はヤマネコの仔育てシーズンで、母ネコが仔ネコを連れて行動します。仔ネコは警戒心が薄く道路に出てくることも多くなります。次世代に命をつなげていくためにも、特にメスや仔ネコが交通事故により命を落とすことはなんとしても避けたいところです。

【交通事故の発生事例より読み取れる傾向】

1987年(ヤマネコの交通事故が初めて報告された年)から取りはじめた記録によると、これまでで事故が最も多く発生した月は11月でした(図1のオレンジの折れ線グラフ)。一方、直近5年間の記録では、8月が最多となりました(図2)。また、幼獣だけオレンジ色で色分けされた棒グラフのとおり、過去5年間に7月と8月に発生した事故はすべて幼獣(仔ネコ)の事故でした(図2)。

図1 目撃件数と事故件数

対象記録_目撃件数:2022.1-2024.12 事故:1978-2024

図2 過去5年間の事故発生月

【交通量より読み取れる傾向】

交通量に関する正式な調査記録はありませんが、個人観光客が多く来島する夏休みシーズンに入るとレンタカーの利用が多くなることが予測されます。また、島内事業者の方々の活動も観光客数に伴って活発になり、交通量が多くなると考えられます。

以上のヤマネコ・人両方の要因から事故リスクが高まる可能性があるため、7月〜8月を強化月間として設定しました。

西表島では、道路の下に設置した生き物のための通り道(アンダーパス)や道路への進入を防止する柵の設置、車の接近を生き物に伝えるためのゼブラゾーンなど、ヤマネコのロードキル防止のため、ハード対策にも力を入れています。強化月間では主にソフト面の対策に力を入れて活動を行います。

図.3 ヤマネコの交通事故件数1978年-2025年

ヤマネコの交通事故件数は2010年代以降、増加傾向にありますが、みなさまのご協力のおかげで2023年と2024年は無事故を達成し、2025年も本日時点で無事故日数記録を更新しています。

西表島で車を走らせる際は、島の景色も楽しみながら、生き物にやさしいゆっくりした安全運転のご協力をお願いいたします。

 

また、センターではヤマネコの目撃情報を集めています。皆さまから寄せられた目撃情報は、移動式看板の設置や運転注意マップの発行などの事故対策に役立てられます。

ヤマネコを目撃した際には、ぜひ当センターまでお知らせください。スマートフォンから目撃情報を投稿することもできます。

 

目撃情報をくださった方には、お礼にシールをプレゼントしていますので、センターにお越しいただいた際、「投稿したよ!」とスタッフへお声がけください。

みなさんからの情報をお待ちしております

イリオモテヤマネコの事故対策

みなさんから寄せられた
情報を元に作成しています

運転注意マップ過去一覧