2018年05月22日 カテゴリー:イリオモテヤマネコNEWS 浦内集落内で子ネコを保護しました 5月4日のメス成獣の死亡事故から5日後の9日に住吉町道で子ネコ2頭の目撃情報が寄せられて以降、付近で子ネコの情報が多数寄せられるようになりました。 死亡したメスは子育て中であったため、当センターではその子ネコを保護するために捜索やセンサーカメラの設置を行っていました。 ただ、事故死した母ネコの子ネコである可能性の一方で、14日に別の成獣も目撃されており親子を引き離してしまう恐れがあったため、モニタリングを継続し一時様子を見ていたところでした。 そのようななか、13日深夜に浦内集落内で衰弱した子ネコがいるとの情報が入り、緊急保護を行いました。 獣医師による診察を受けたところ顔面に衝撃を受けた痕があり(交通事故であるかは不明)、左目が縮瞳、下顎に小さな割れがあり犬歯が外側へ曲がっていました。 また、血液検査の値に異常が見られ、体も削痩していたため救護収容となりました。この個体はメスでした。 そして15日には、同じく浦内の民家の庭に子ネコがいて逃げないとの情報をいただきました。現場に向かった職員と住民の方とで様子を見守ってもらっている間に、獣医師と相談の結果、衰弱している可能性もあるとして一時的に保護して健康診断を行うことになりました。捕獲時には威嚇をするなど元気な様子でしたが、体は13日に保護した子ネコのように痩せているようでした。また、診察した結果、削痩だけでなく、尻尾には傷があることがわかりました。傷口にハエが産卵し幼虫に食べられていたことから、そのまま収容ということになりました。2頭目の幼獣はオスでした。 現在は、NPOどうぶつたちの病院沖縄の獣医師の診察をしていただきながら、子ネコ2頭の飼育を行っています。保護地点が極めて近いことから、2頭は姉弟である可能性があります。 まだ安心は出来ない状態ではあるものの、食欲が出てきて体重が増加するなど2頭とも回復に向かっています。 なお、子ネコは将来的に野生復帰を行う予定ですので、人慣れを避けるために一般公開の予定はありません。ご理解、ご協力をお願いいたします。(田口)