ここでは、2013年から現在までに救護され、野生へと帰っていったヤマネコたちを紹介します。交通事故、負傷、衰弱、錯誤捕獲と保護された経緯は様々です。 W-155(船浮) 2013年4月に重度の疥癬症からの衰弱で救護された成獣のオスです。治療のために約1か月程度飼育し体力が戻ったことからオレンジ色のテープを貼った発信機を付けて船浮集落近くで放しました。すぐに集落近くからは移動してしまい、捜索のなか10日ほど経過したところで船浮から南の鹿川湾で電波を受信できました。 W-171(高那) 2014年8月末に交通事故に遭い路上で倒れているところを保護された幼獣のメスです。救護時には瞳孔の収縮などから頭部へのダメージが認められましたが、骨折などは無く順調に回復したため、発信機を装着して保護地点から山側へ入ったところで放しました。残念ながら翌年の3月に再び交通事故に遭い死亡してしまいました。 行動圏が決まる前の個体ということもあり、貴重なデータを残してくれました。 W-184(住吉・干立) 2016年にノラネコ捕獲用のワナで錯誤捕獲された成獣のオスです。頭部に傷が見られたことから治療をおこない、白いテープを貼った発信機を付けて放しました。行動圏が決まる前の個体だったようで放獣後は大きく移動し、現在は干立集落近くの山に住んでいます。2017年に干立集落の鶏小屋にも侵入し負傷していたことから治療のために一度保護しました。 W-217・218(浦内) 2018年5月に母ネコが交通事故死し、見守っていたところ衰弱と負傷が見られたため救護した幼獣の姉弟(217♀・218♂)です。生後1.5か月齢くらいであったため、自活できる程度の大きさになるまでセンターで飼育し保護地点近くの山へ放獣しました。飼育の記録については、リニューアルするヤマネコBOOKへ掲載予定です。 W-217 W-218 W-219(祖納) 2018年12月に交通事故に遭い保護された成獣のメスです。頭部へのダメージが認められましたが骨折等は無く、回復したのちに保護地点近くの山へ放しました。黄色いテープを貼った発信機を付けています。